INTRODUCTION
新しく始まった連載コラム。色の専門家が、日常を彩る「色の魔法」を解き明かします。第2回目は、私たちが普段何気なく選んでいる「黒」の奥深い世界を覗いてみましょう。
彩りスイッチ!~日常を輝かせる色のチカラ~
Vol.2|「黒は本当に“無難な色”なの?」
— 人はなぜ“黒”を選ぶのか —
こんにちは。色の専門家の八尋恭子です。今日も“色”のお話を少し。
みなさんは洋服を選ぶ時、「とりあえず黒」って選ぶことってありませんか?
黒は、合わせやすく、“失敗しにくい色”というイメージがあります。
でも、黒はただの“無難な色”ではなく、とても奥が深い色。
今回は、そんな“黒”のお話です。
01
QUESTION
黒は本当に“無難な色”なの?
つい黒を選んでしまう。なんにでも合わせやすい気がするし、無難な気がする。
実は私もあります。…といっても、私の場合は「痩せて見えるから」という理由がかなり大きいんですけどね(笑)
でも黒って、“誰にでも無難な色”というわけではないんです。
例えば、パーソナルカラーの「スプリング」のように、明るく鮮やかな色が似合う人は、黒を着ると少し重たく見えてしまうことがあります。
逆に、「ウィンター」のように、モノトーン or はっきりした色が似合う人は、黒を着ることで魅力がぐっと引き立つことも。
同じ黒でもその人によって見え方って全然違ったりするんです。
02
ARMOR
黒は“鎧”になることがある
黒には別の一面もあります。
以前、職業訓練校のネイリスト養成科で、カラー講師をしていた時のこと。全身真っ黒の服を着た生徒さんがいました。
最初の自己紹介で、「色とか全然興味ないんで」と、なぜかすでに戦闘モード(笑)
その時、私は「ああ、なるほど」と思ったんです。なぜなら、黒って“鎧”になることもあるから…。
強く見せたい時や、人との距離を取りたい時、傷つきたくない時にも、人は無意識に黒を選ぶことがあります。
その時の彼女は、まるで黒い鎧を纏っているようで、「私に近づかないで」そう言っているように感じました。
もちろん、黒は悪い色ではありません。
でも時々、“本心を隠す色”になる。そして、周りからもそう見えてしまうことも…
03
CHANGE
色で、人は変わる
でも、クラスメイトと切磋琢磨しながら、半年間ネイルと色を学ぶうちに、彼女は少しずつ変わっていきました。
表情や服装にも、明るさが見えるようになってきたんです。
そして修了式の日。彼女が着ていたのは、明るいライトブラウンのワンピースに鮮やかなイエローのカーディガン。
彼女のパーソナルカラー、「スプリング」の色でした。
「色とか全然興味ないんで」
そう言っていた彼女は今、お客様の魅力を引き出す色で指先を彩るネイリストとして活躍しているそうです。
04
VARIATION
黒にも、いろんな“黒”がある
もちろん黒は素敵な色です。シンプルなのにどこか洗練されて見えるし、フォーマルな場では信頼感や、きちんとした印象を与えてくれます。
でも、“黒”ばかりになってしまうと、自分らしさが隠れてしまうことも。
黒は、合わせる色によって、印象が大きく変わる色でもあります。
例えば、ベージュを合わせるとやわらかく上品な印象に。ブルーを合わせると知的で爽やかな雰囲気に。
黒を身に付ける場合は、
“黒+@”
を少し意識するだけで、黒はもっとその人らしく魅力的に見せてくれるんです。
黒って「無難な色」と思われがちですが、実際は気持ちや印象が表れやすい色。
みなさんはどんな時に黒を選びますか?
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このコラムを書いた人
COLUMNIST PROFILE

八尋 恭子 (Kyoko Yahiro)
色の専門家/OUTFRONT8 代表・K’s Color Academy 主宰。
パーソナルカラーをはじめ、色彩・感性・日本文化をテーマに、講座やイベント、ワークショップを行う。企業イベントや地域活動を通して、色で人の印象や表情が変わる面白さを伝えている。
近年は、月をテーマに、感性や人とのつながりをひらく「月灯りプロジェクト」を始動。また、戦国武将の色彩美学を探る「SengokuColors」など、色と文化をつなぐ企画も進行中。海外で日本の色彩文化を伝える活動にも取り組んでいる。
筑豊を拠点に、福岡・北九州を中心に活動中。
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