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見た目温度って知っていますか? ― 色で楽しむ、心地いい暮らしのつくり方。

色の専門家・八尋恭子氏による連載コラム「色の専門家がひらく『感性と印象の扉』」のアイキャッチ画像。K's Color Academyのロゴとともに、鮮やかな色のドレープ(布)や色相環のテキストが並び、色彩豊かな世界観を表現しています。

彩りスイッチ! Vol.6

見た目温度って知っていますか?
― 色で楽しむ、心地いい暮らしのつくり方。

こんにちは。色の専門家の八尋恭子です。
今日も色のお話を少し。

夏の装いに差し色を取り入れた女性

「あ゛~、今日も暑い!」
外に出た瞬間、思わずそんな言葉が出てしまう毎日ですね。
冷たい飲み物を飲んだり、エアコンで室温を調節したり。少しでも涼しく、心地よく過ごしたいものです。
ところで、同じ室温なのに「この部屋、なんだか涼しそう」と感じたことはありませんか?
実は私たち、温度計だけではなく「目」からも暑さや涼しさを感じているんです。

今回は、色から感じる「暖かそう」「涼しそう」などの温度の印象を、「見た目温度」と呼んでお話しします。
夏は涼しく。これから迎える季節には、暖かく。
知っていると、毎日の色選びがちょっと楽しくなる。
そんな色の効果をご紹介します。

01

COLOR & TEMPERATURE

色にも「温度」がある?

想像してみてください。
赤やオレンジをたくさん使ったお部屋。
そして、青や青緑を使ったお部屋。
同じ室温だったら、どちらの方が涼しそうに感じるでしょう?
おそらく、青や青緑のお部屋を思い浮かべた方が多いのではないでしょうか。

青や青緑を取り入れた涼しげな部屋

もちろん、色を変えただけで部屋の気温そのものが上がったり下がったりするわけではありません。
それなのに、赤やオレンジを見ると「暖かそう」。
青や青緑を見ると「涼しそう」。
色そのものに温度はないのに、私たちは色を見て「暖かそう」「涼しそう」と感じているんです。
不思議ですよね。
では、どうして色によってこんな違いが生まれるのでしょう?
そのヒントは、色の仲間分けのひとつ「暖色」と「寒色」に。

02

WARM & COOL

暖色と寒色、何が違う?

赤・オレンジ・黄色など、暖かさを感じさせる色を「暖色」。
青や青緑など、涼しさや冷たさを感じさせる色を「寒色」と呼びます。

赤やオレンジを見ると、太陽や炎を。
青を見ると、海や水を。
なんとなく「暖かそう」「涼しそう」と感じるのも、イメージしやすいですよね。
例えば、まだまだ暑い今の季節。
寝具やクッション、身につけるものに寒色を取り入れると見た目にも涼やかに。

実はこれ、見た目だけの話ではありません。
もちろん、色を変えたからといってエアコンのように室温が下がるわけではありませんが、色には人の感覚に働きかける力があります。
同じ温度でも「なんだか涼しい」。
反対に、暖色からは「暖かい感じ」が伝わってくる——そんな不思議な働きです。
でも、色から感じる温度は、「暖色だから暖かい」「寒色だから涼しい」だけではないんです。
実は、「何色か」以外にも関係しているものがあるんですよ。

03

TONE

同じ色なのに印象が違う?

ここで、ある女の子のお話を。
先日、ミクニワールドスタジアム北九州で開催された、子どもたちがさまざまな仕事やプロの技術を体験する「北九州ジュニア・マイスター2026 夏」に、私も色の講師として参加しました。
そこで行ったカラー講座に、ピンクが大好きな女の子が参加してくれたんです。

明るさと鮮やかさが異なるピンクの衣類

その日彼女が着ていたのは、淡くやわらかなベビーピンクのTシャツで、とってもよく似合っていました。
―夏らしく軽やかで、どこか涼しげな印象。
では、これがマゼンタと呼ばれる鮮やかなピンクだったらどうでしょう?
淡く明るいベビーピンクに比べると、同じピンクでも「涼しげ」な見え方とは少し違ってきます。
色には「色み」だけでなく、明るさ(明度)や鮮やかさ(彩度)もあります。
だから今回のピンクのように、同じ色みでも【明るさ】や【鮮やかさ】が違うと感じる温度に違いが出ることもあるんです。

04

HOW TO USE

「何色?」だけじゃない、色の使い方

「じゃあ、夏は暖色系の赤やオレンジを使わない方がいいの?」
と思った方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。

まず意識してみたいのが、「どこに、どのくらい使う?」ということ。
例えば、赤やオレンジをバッグやアクセサリーなどのポイントに使ったり、白などの明るい色と組み合わせたり。
お部屋なら、カーテンやラグのように大きく取り入れるのか、クッションや小物でアクセントにするのかでも印象は変わります。

色は使う場所や面積、組み合わせる色によっても見え方や感じ方が変わるもの。
色の特徴を知っていれば、どんな色も季節に合わせて楽しめるんです。
「夏はこんなふうに使ってみようかな」
「秋になったら、こんな組み合わせもいいかも」
そう考えると、色選びがもっと楽しくなってきますよ。

05

SEASON

季節が変わると、色の感じ方も変わる

まだまだ暑い毎日ですが、季節は少しずつ秋へ向かっていきます。
お店に並ぶ洋服や雑貨を見て、
「そろそろ、こんな色もいいな」
そんなふうに感じることも、ありますよね。
真夏には少し重たく感じていたブラウンや深みのある赤、オレンジが、涼しくなってくると、なんだか心地よく見えてくる。
反対に、夏には爽やかに感じていた色が、寒い季節には少しひんやりと感じられることも。

暖色を身につけて会話を楽しむ女性

色は同じなのに、季節が変わると受ける印象も変わる。
クッションカバーを替えたり、バッグやストールに次の季節を感じる色を取り入れたり。
全部を変えなくてもほんの少しだけ、色からひと足先に次の季節を楽しんでみる。
そんな暮らし方も素敵ですね。

06

ENJOY COLOR

今日から「見た目温度」を楽しもう

ここまで読むと、いつも何気なく見ていた色がちょっと気になってくるかもしれません。
色を選ぶ時の「好き」「似合う」に、季節や気分という視点をひとつ加えてみる。

まずは、身の回りの色をちょっと眺めてみませんか?
「この色、涼しそう」
「これは暖かく感じるな」
「この色なら、秋にも使えそう!」
そんなふうに見てみると、洋服も、お部屋も、いつもの街の景色も、少し違って見えてくるかもしれません。

色の特徴を知ると、暮らしの中でできることが増えていく。
季節が変われば、色の楽しみ方も変わります。
さて、皆さんは今日はどんな色に目が留まるでしょう?
「見た目温度」をヒントに、毎日の色選びを楽しんでみてくださいね。

【次回予告】

これまでたくさんの方のパーソナルカラーを見てきた中で、今でも忘れられないお客様がいます。
初めてお会いしたときと、その後。
色をきっかけに、見た目だけではなく周囲の反応まで大きく変わっていった女性です。
次回は、そんな実際のエピソードから、
「パーソナルカラーで人生が変わる?」
をお届けします。

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KyokoYahirocolumn


このコラムを書いた人

COLUMNIST PROFILE

著者の活動風景

八尋 恭子 (Kyoko Yahiro)

色の専門家/OUTFRONT8 代表・K’s Color Academy 主宰。

パーソナルカラーをはじめ、色彩・感性・日本文化をテーマに講座やイベント、ワークショップを行う。企業イベントや地域活動を通して、色で人の印象や表情が変わる面白さを伝えている。

🌙 活動、お問い合わせはこちらから
Instagram: @kscolor_academy

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