「うまく書く」より前に、大切にしたいことがあります。
まずは今日のレシピを、目次からのぞいてみてください。
🍅 言葉のタネは「特別な出来事」じゃなくていい
「何を書けばいいかわからない」。
この言葉が出るときって、実は“何もない”んじゃなくて、「書いていいものがわからない」ことが多いんです。
もっと役に立つことを書かなきゃ、もっとちゃんとしたことを書かなきゃ、そんなふうに“特別なネタ”を探し始めると、日常にある言葉のタネが見えにくくなってしまいます。
でも、読まれる文章の多くは、派手な出来事から生まれているわけじゃありません。
「今日ちょっと困った」「これ、意外と知らなかった」「こんなふうにしてみたら楽だった」みたいな、暮らしの中の小さな発見が、人の心にすっと届きます。
事業の発信でも同じです。
新商品やキャンペーンだけが発信じゃなくて、「どんな気持ちでつくっているか」「お客さまが迷いそうなポイント」「よくある質問」みたいな、現場の小さなメモこそが、いちばん役に立ったりします。
つまり、「何を書けばいいかわからない」は、書く材料がないのではなく、材料の見つけ方がまだ定まっていないだけ。
今日のレシピは、その“見つけ方”をやさしく整える回です。
🥕 今日はこれだけ:3つの“拾い方”
ここからは、難しいことをしません。
今日から使える、言葉のタネの拾い方を3つだけ。
全部やらなくてOK。気になるものを1つだけで大丈夫です。
① よく聞かれることを、そのまま書く
「よく質問されること」「よく言われること」は、もうそれだけで立派なネタです。
事業者の方なら、お客さまの“迷いポイント”。
暮らしの発信なら、友だちに聞かれたこと、家族に説明したこと。
聞かれた回数ぶん、同じことで困っている人がいます。
② つまずいたことを、メモ程度に書く
うまくいかなかった経験は、言葉にすると“やさしさ”になります。
「私はここでつまずいたよ」「こうしたら抜けられたよ」って書くだけで、読む人は安心します。
③ 今日の小さな工夫を残す
大きな成果じゃなくていいんです。
「こう言い換えたら伝わった」
「この順番にしたら楽だった」
「この一言で空気がやわらいだ」
みたいな小さな工夫は、読む人にとっては“すぐ試せるレシピ”になります。
言葉のタネは、探しに行くより、日常の中で“拾っていく”。
この感覚がつかめると、発信はぐっと楽になります。
🫖 迷ったら、これを書けば整う「ここみの下書き」
それでも迷う日はあります。
そんなときのために、ここみの“下書きテンプレ”を置いておきます。
このまま埋めるだけで、文章は自然と形になります。
・今日いちばん伝えたいことは( )
・きっかけは( )
・自分がやってみたこと/気づいたことは( )
・同じことで迷っている人へ一言( )
きれいに書こうとしなくて大丈夫。
箇条書きでも、短文でもOKです。
下書きは“下ごしらえ”。
整えるのは、あとでいい。まずは材料を並べるところから始めましょう。
🧂 次回予告|ここみの伝え方レシピ
次回は、「独り言にならない発信」のつくり方を、やさしいレシピにしてお届けします。
「伝えたのに届かない」の裏側には、ほんの少しの“視点のズレ”があることがあります。
相手の席に、言葉をそっと置くコツ。
次回は、そんな“届け方”の下ごしらえを一緒にしていきましょう。
お楽しみに♡
📚 バックナンバー
vol.02:発信がこわいのは、あなたが真面目だから
vol.01:「うまく書こう」とするほど、言葉が出てこなくなる理由
✍️ コラムニスト紹介

朝比奈ここみ|伝え方のレシピ案内人
ことばと発信のアトリエ
「伝えたい気持ちはあるのに、うまく言葉にできない」そんな人のそばで、一緒に言葉を整える活動をしています。
企業のSNS担当として働いた経験を経て、“正しく書く”よりも、“その人らしく伝える”ことの大切さに気づきました。今は、発信が苦手な人や小さな事業を営む人に向けて、やさしく・わかりやすく・すぐ使える「伝え方のヒント」を言葉にしています。
このコラムでは、うまく話そうとしなくていい、完璧な文章じゃなくても、立派な肩書きがなくても大丈夫。頭の中にある想いや、まだ途中の言葉をそっと並べてみるための“レシピ帳”のような場所です。
読んだあと、「これなら書けそう」「あのこと少し話してみようかな」そんな気持ちが残ったらうれしいです。
活動拠点:福岡県北九州市
お仕事についての問い合わせ先:現在募集していないため、北九なびLINE公式からご連絡ください(準備中)
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