「うまく書く」より前に、大切にしたいことがあります。
まずは今日のレシピを、目次からのぞいてみてください。
🍳 最初から“完成形”を作ろうとしていませんか
文章を書こうとするとき、「ちゃんとした文章にしなきゃ」「役に立つことを書かなきゃ」と、いきなり完成した姿を思い浮かべてしまうことがあります。
けれど言葉は、本当はもっと下ごしらえの段階から始まるものです。
まだ形になっていない気持ち、うまく言えない違和感、言葉になる前の感情。
それらを飛ばして完成だけを目指すと、手は止まり、頭の中は真っ白になります。
料理でいえば、材料を切る前から盛り付けを考えているような状態です。
まずは冷蔵庫を開けて、今の自分の中に何があるのかを見てみる。
文章も同じで、「うまく」より先に、「今、何を思っているか」を確かめるところからで大丈夫なのです。
🥄 「誰に出す料理か」が決まらないと、味は決まらない
たくさんの人に届いてほしいと思うほど、言葉は薄味になりがちです。
誰にも嫌われないように、間違いのないことを選び続けると、文章はどこか他人行儀になります。
事業者の方なら「お客様全体」一般読者さんは「フォロワー全員」を思い浮かべてしまうことも多いかもしれません。
そんなときは、たった一人を思い浮かべてみてください。
昨日相談を受けたお客様、少し前の自分、何気なく話を聞いてくれる友人。
その人に向けて出す料理だと思うと、味付けは自然と決まります。
言葉も同じで、相手の顔が浮かぶと、説明しすぎなくても、取り繕わなくても、ちゃんと伝わる文章になります。
🍰 「うまく書く」より、「素のまま出す」から整えていく
伝え方のレシピでいちばん大切にしているのは、「いきなりきれいにしなくていい」ということです。
最初の一文は、下書きのままでいい。
少し偏っていても、感情が混ざっていてもいい。
そこから読み返し、整え、足し引きをしていくことで、言葉はだんだん“伝わる形”になります。
事業の発信も、日々の言葉も、完璧な一皿を最初から出す必要はありません。
今日は試作、明日は少し調整、そんなふうに続けていくことで、自分らしい味が育っていきます。
書けないと感じる日は、力を入れすぎているサインかもしれません。
「うまく書こう」を少しだけ脇に置いて、今の気持ちをそのまま差し出す。そこから、伝えることはまた動き出します。
🧂 次回予告|ここみの伝え方レシピ
次回は、「発信がこわいのは、あなたが真面目だから」というお話をします。
どうして投稿する前に手が止まってしまうのか。
なぜ「これでいいのかな」と何度も書き直してしまうのか。
その理由を、少しだけやさしくほどいていきます。
完璧じゃなくていい言葉の出し方、安心して発信するための下ごしらえ。
次回は、そんな“心のハードルを下げるレシピ”をお届けします。
お楽しみに♡
✍️ コラムニスト紹介

朝比奈ここみ|伝え方のレシピ案内人
ことばと発信のアトリエ
「伝えたい気持ちはあるのに、うまく言葉にできない」そんな人のそばで、一緒に言葉を整える活動をしています。
企業のSNS担当として働いた経験を経て、“正しく書く”よりも、“その人らしく伝える”ことの大切さに気づきました。今は、発信が苦手な人や小さな事業を営む人に向けて、やさしく・わかりやすく・すぐ使える「伝え方のヒント」を言葉にしています。
このコラムでは、うまく話そうとしなくていい、完璧な文章じゃなくても、立派な肩書きがなくても大丈夫。頭の中にある想いや、まだ途中の言葉をそっと並べてみるための“レシピ帳”のような場所です。
読んだあと、「これなら書けそう」「あのこと少し話してみようかな」そんな気持ちが残ったらうれしいです。
活動拠点:福岡県北九州市
お仕事についての問い合わせ先:現在募集していないため、北九なびLINE公式からご連絡ください(準備中)
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