本を読む時間って、答えを探すというより、「今の自分、どう思ってる?」って聞き直す時間なのかもしれません。

迷っている自分に気づいた日
何かを決めなきゃいけないのに、どうにも気持ちが追いつかない日があります。どっちを選んでも間違いじゃなさそうなのに、なぜか決められない。ヴァーチャルブックカフェをやっていると、「やりたいことはあるんですけどね」と、そんな言葉をぽつりと置いていくお客さんがいます。
そのたびに思うのです。ああ、これ、昔の私だなって。
答えをくれる本を探していた
少し前までの私は、本に「正解」を求めていました。失敗しない選び方とか、遠回りしない方法とか。そんな都合のいい答えを、本の中に探していた気がします。そんなときに出会ったのが、『覚悟の磨き方』でした。
思ってたのとちょっと違った
読み始めてすぐ、「あ、これ、答えくれないやつだ」と思いました。励ましの言葉が並んでいるわけでもなく、背中を強く押される感じでもない。代わりに返ってきたのは、こんな問いでした。
あなたは、何のためにそれを選ぶのか。その選択を、自分で引き受けられるか。
覚悟ってもっと地味だった
覚悟って聞くと、人生を変える決断とか、大きな挑戦を想像しがちだけど。この本を読んで思ったのは、覚悟ってもっと日常的なものだということでした。無理して期待に応え続けるのか、勇気を出して正直な気持ちを伝えるのか。誰かの正解に乗っかるのか。不安でも、自分で選んだ道を歩くのか。
決められない時間もちゃんと意味があった
正直、この本を読んだからといって、すぐに決断できる人になったわけじゃありません。今でも迷うし、立ち止まることもあります。でも、ひとつ変わったことがあります。「決められない自分」を、前ほど責めなくなりました。
答えは本の外にあった
何度も読み返して、ようやく気づいたことがあります。この本は、答えをくれるための本じゃなかったんだな、って。答えはいつも自分の中にあって、本はただ、それを思い出させてくれる存在だった。
本を閉じたそのあとで
本を読み終えたあと、劇的に何かが変わるわけじゃありません。それでも次に迷ったとき、ふと思い出す問いがあります。
私は、この選択を引き受けられるかな。
そう考えるだけで、選ぶことが少しだけ怖くなくなりました。迷いながらでもいい。時間がかかってもいい。そうやって選んだ一歩なら、きっと自分の人生になっていく。
📚 今回紹介した本
覚悟の磨き方(吉田松陰)
※ Amazonのページにジャンプします
✍️ コラムニスト紹介

かれん|ヴァーチャルブックカフェ店主
Virtual Book Cafe TERRACE(ヴァーチャル ブックカフェ テラス)
実店舗を持たないオンライン上の小さなブックカフェをひらいています。本を読みながら考えたこと、本を閉じたあとに残った気持ちを、そっと言葉にして置いていく場所です。答えや正解を渡すのではなく、「こんな考え方もあるよ」と、テラス席にコーヒーを置くような気持ちで書いています。
TERRACEは、本を片手に少し外の空気を吸うための場所。「こうしなきゃ」から一度降りて、自分のペースを取り戻すための心のテラス席です。完成していなくても、うまく言葉になっていなくても大丈夫。途中の気持ちのまま座っていい場所でありたいと思っています。気になる方は、またふらっと覗きに来てください。
場所:インターネットのどこか / 発信源:福岡県北九州市某所 / 営業時間:気が向いたときにオープン / 定休日:決めていません
✍️ 北九なび コラムライター募集
北九なびでは、月1回以上、コラムを連載してくださる方を募集しています。
- 1年間、継続して書いていただける方
- 読み手のためになる情報を届けられる方
- 事業のPRや認知につながり、人柄や想いも伝わる発信ができる方
詳しくはフォームからお問い合わせください。









