法人向け・経営者のリスクマネジメント 第1回
社長に万が一があったら、会社は何か月持ちますか?
― 経営者不在で起こる「売上減少」と「資金繰り」の現実
会社を経営していると、売上や利益、資金繰り、従業員のことなど、日々さまざまな判断を求められます。特に中小企業では、社長自身が営業、顧客対応、金融機関との交渉、採用、重要な意思決定まで担っているケースも少なくありません。
では、もし社長が突然亡くなったり、病気や事故で長期間仕事ができなくなったりしたら、会社はどうなるでしょうか。
まず考えられるのが、売上の減少です。社長が直接担当していた取引先との関係が途切れたり、営業活動や契約の判断が止まったりすることで、これまで当たり前だった売上が減少する可能性があります。社長の人脈や信用を前提に成り立っていた取引であれば、後任者がすぐに同じ役割を果たすのは簡単ではありません。
一方で、売上が減少しても、家賃、人件費、リース料、借入金の返済、仕入れ代金などの固定的な支出は、すぐにはなくなりません。つまり、入ってくるお金が減る一方で、出ていくお金はこれまでどおり発生します。この状態が続けば、利益が出ている会社であっても、資金繰りが急速に厳しくなることがあります。
また、社長個人が会社の借入金の連帯保証人になっている場合、ご家族が金融機関との対応に追われることもあります。後継者が決まっていなければ、事業を続けるのか、第三者に譲渡するのか、廃業するのかという判断も必要になります。社内外の関係者が不安を感じれば、従業員の退職や取引先との関係悪化につながる可能性もあります。
まずは「社長がいなくなった場合、会社にいくらのお金が必要なのか」を具体的に考えることが大切です。
こうした事態に備えるためには、当面の運転資金、借入金の返済資金、従業員の給与、事業承継に必要な費用、社長の死亡退職金などを整理します。そして、会社の預金だけで何か月分をまかなえるのかを確認します。
必要な資金をすべて預金で準備するのが難しい場合、生命保険を活用して、万が一の際に会社へ資金を確保する方法もあります。生命保険は、単に社長のご家族のためだけではなく、会社を継続させ、従業員や取引先を守るための資金準備として考えることができます。
💡 経営者としての第一歩
大切なのは、「うちの会社は大丈夫」と思い込まず、社長が不在になった場合の売上と支出を一度数字にしてみることです。
会社が何か月持つのかを把握することが、経営者としてのリスク対策の第一歩になります。
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このコラムを書いた人
COLUMNIST PROFILE

板倉 陽子 (Yoko Itakura)
ファイナンシャルプランナー
住宅ローンアドバイザー
音大卒業後、ピアノ講師等を経て生命保険会社へ。自身のライフプラン見直し経験をもとに、18年間で1,000名以上の家計や老後資金のサポートを行う。「豊かな老後生活」をテーマに、勉強会やマネーセミナーを開催中。
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